はじめての入院生活 @ 主治医のこと[2]

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主治医のこと[2]

同じ病室の同じ病気の患者さんの話。病気を告知されたとき主治医に恐る恐る「治りますか?」訪ねてみたら「そんなもの2008年になってみないと判りませんよっ!」って怒鳴るように言われたらしい。要は癌が完治したと言える5年後にならないと判らない、と言うわけ。そんなこと素人だって言えるわい! しかも医者が言うだけに残酷だ。この人が主治医でなくてホント良かった。こんな医者相手にしてたら、治るものも治らない。彼女はそれが原因で5キロも体重が減ったらしい。羨ましいイヤ、痛ましい。あまりに苦痛なので主治医を替えてもらったそう。それは正しい判断だったと思う。治療以前に、治療に専念できる環境は自分で確保しないといけない。

そんなこんなで私の主治医は賢明だった。お世辞や慰めの言葉も言わないかわりに、きっちりと真実のみを伝えてくれる。私情を交えず、ただただ端的に。生真面目とも違う、あくまでもヒョウヒョウなのだ。いかにも理系の人という感じ。でも容姿はオタクではなく、清潔で人が好さそうだった。

その主治医も2004年4月に、よその病院に転勤してしまった。今回の転勤の件を患者に報告したのは私が最初だったらしく、なんだか嬉しかった。私も主治医に付いて転院するべきか相談すると、手術をした病院であることや家からの近さを理由に今の病院に残ることを勧められた。最後まで適切な判断をくださった。

「もう春だから病気のことは忘れて、楽しく過ごしてください。」
珍しく気の効いたことを言われた。まったくその通りだ。頼りにするあまり、少し主治医に依存していたかもしれない。私も卒業する時なんだろう。寂しくなるけど先生のお陰で快適な闘病生活を送ることができた。今は感謝の気持ちでいっぱいだ。先生ほんとうにありがとう!


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はじめに
1 〉あっけなくがん告知
2 〉恐怖で頭が真っ白け
3 〉手術説明を受ける
4 〉命について考える
5 〉はじめての入院
6 〉いよいよ手術の日
7 〉緊張の病理検査結果
8 〉放射線治療開始
9 〉治療を終えて思うこと

食べるという欲求
主治医のこと[1]
主治医のこと[2]
夫婦っていいもんだ
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