はじめての入院生活 @ 主治医のこと[1]

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子宮がんタイトル
主治医のこと[1]

主治医の態度が患者に与える影響は大きい。まして大きな病気でタグを組むなら尚のこと。医師の接し方次第で痛みも軽くなる。私の婦人科の主治医は年の近い男性で、私にとってはとてもやりやすい人だった。実はこの公立病院に来る前の町のクリニックの医者は、なんとも横柄で感じが悪かった。その経緯もありそう感じたのかもしれない。感じが悪くなくても、逆にすごく優しく丁寧でも、私的なことを口にしたりお世辞を言ったりする人も居心地が悪い。あくまでも医者の場合の話、特に婦人科の場合ならなおさら。

私の婦人科の主治医はなんともヒョウヒョウとした人で、言いにくい後遺症や副作用でも「えっ?!今、なんとおっしゃいました?!」って突っ込みたくなるくらいさらっと言ってのける。いくら医師の義務とはいえ、そう簡単に言われちゃ「人ごとだと思ってコノヤロー!」と思ってしまう。でも、私にはそれくらいクールな方がやりやすいのかもしれない。下手に同情的なのもかえって戸惑う。手術を担当したのもこの医者で、癌の手術ができること、なんだか見直した。公立病院や大学病院では当たり前だということを後で知ったのだけど。

一方、放射線医師はいくら放射線による治療の下痢を訴えても「それは有り得ない」と取り合ってくれない。今までに例がないと。あげく精神過敏によるものと診断され、心療内科に行かされるところだった。これが神経からくるものではないこと、自分でわかる。神経性を甘くみるわけではないけど、自分の身体だから不思議と判る。でも、全面否定。大袈裟だと嫌みまで言われる。こういうとき弱い立場の患者は辛い。あきらかに出てるこの症状を、せめて認めてほしい。 医師が信じてくれないなら、こちらも医者を信じられない。

その不満も含め婦人科主治医に訴えたところ「痛いんだから仕方ないよね」とひと言。放射線医を否定するわけでもなく、ただただ事実を認めてくれる。そしてそれに応じた薬を処方してくれる。嬉しい、分かってくれた。それだけで病人は癒される。
後のCT検査で放射による腸への副作用があったことがしっかり写し出された。これにより放射線医師は私に謝った。なんとも溜飲が下がる思い。「いや〜、好みの女性だとイジメたくなるんですよね〜」と言い訳にもならないことを言った。この医者は終始こんな感じ。こういうセリフで機嫌が直ると勘違いしている。この手の人はいろんなところにいるけど、病院では特に許されない。


主治医のこと[2]につづく -->








はじめに
1 〉あっけなくがん告知
2 〉恐怖で頭が真っ白け
3 〉手術説明を受ける
4 〉命について考える
5 〉はじめての入院
6 〉いよいよ手術の日
7 〉緊張の病理検査結果
8 〉放射線治療開始
9 〉治療を終えて思うこと

食べるという欲求
主治医のこと[1]
主治医のこと[2]
夫婦っていいもんだ
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