はじめての入院生活 @ 緊張の病理検査結果

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子宮がんタイトル
7 〉病理検査の結果

術後は痛みや排便の不自由などいろいろ苦労はあったが、
それでも順調に回復していった。
こんなに早く傷が治るなんて、人間の生命力とは凄いものだ。
日々良くなるとはいかないものの、
一週間もすればもうなんの不自由もない生活をしている。

でも一番怖いのは、実はこれから。
今判っているガンの進行度はあくまでも暫定的なもの。
正確な病状は摘出した子宮やリンパ節を
病理検査してみるまで判らない。
術後10日ほどで結果が出る予定だ。

1週間過ぎたあたりから主治医は顔を合わせると
「まだ結果は出てないよ。もう少し待ってね。」
とにこやかに言うようになった。
それが10日目の昼過ぎ、ひょこっと病室に現れ、
「結果が出ました。今日、ご主人は来られるかな・・・?」
いつもの笑顔はどこにも無く、少しこわばった顔で言うではないか。
みんながいる病室ということもあり、私もそれ以上のことは聞けない。
「すぐ来れると思います。連絡してみます。」
私の顔にも笑顔はなかった。

いよいよ来るべき時がきた・・・。

主人が会社を早退し慌てて飛んできた。
すぐに別室での病理検査報告が行われた。
「嬉しくない結果が2つあります。」

嬉しくないもの2つとは、
1.当初の予想よりガンが進行した状態にあったこと。
2.悪性の種類のガンであったこと。

もうどうにでもなれっ!というヤケの気分。
今回の手術でガンはすべて取り除かれているはず。
本来ならここで治療完了になるが、
これらの悪条件が残るとまわりの臓器への
転移・再発の可能性が高くなるそうだ。
私の場合はハッキリ黒ではなく中間のグレーゾーンだという。
再発予防の放射線治療に移るか否か、とても微妙な段階なのだそう。
医療チーム内でも意見は別れたらしく、
主治医はしなくても良いのではないか、という考えだった。
でも最終決定は患者である私に委ねたいとのこと。

そっ、そんなっ・・・・・。

まだ見えないレベルのがん細胞が残っていると仮定して、
成長する前に放射線で焼き殺してしまおうというもの。
悪い因子を元から断つわけだ。
でも同時に正常な細胞も傷つくため免疫力が弱まり、
すべてが裏目に出るというリスクもある。

いくら自分の体とはいえ、病気に関してはずぶの素人。
それでも答えをださないといけない、私自身の選択で・・・。
まったくもって懸けだ。
メリット、デメリットを慎重に確認したうえで、
ほとんど悩むことなく答えが口から飛びだした。

「放射線治療をお願いします。」

根拠のない選択。でも直感だった。
数々の副作用と後遺症を聞かされたが、
それでもやるしかないと思えた。
裏が出るか表が出るか、すべてが自分の選択なのだ。
どうなるにしても、まだまだ先は険しい。
それでも前に進むほかなさそうだ。


8 〉放射線治療開始 -->








はじめに
1 〉あっけなくがん告知
2 〉恐怖で頭が真っ白け
3 〉手術説明を受ける
4 〉命について考える
5 〉はじめての入院
6 〉いよいよ手術の日
7 〉緊張の病理検査結果
8 〉放射線治療開始
9 〉治療を終えて思うこと

食べるという欲求
主治医のこと[1]
主治医のこと[2]
夫婦っていいもんだ
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