はじめての入院生活 @ 放射線治療開始

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子宮がんタイトル
8 〉放射線治療開始

心で叫ぶもののもちろん声には出せない。
この作業はひと月の治療中、薄くなる度に何度も行われるので、
くすぐったがりの私にはたいへんな苦行だった。
大きいカメラのような照射装置が上・左右・下と4方向に動き、
マークで定められた位置に確実に照射していく。
照射している時間はほんの5分くらい。
痛くも痒くもなくただピッピッピッと音がするだけ。
身体の中を放射線が通過しているというのは
とても気持の良いものじゃないので深く考えないことにしよう。
この5分のために約ひと月、毎日通院するわけだ、ふぅ〜。

照射2週目あたりからお腹の調子が悪くなってくる。
電車の中など移動中に痛くならないように注意を払うが
それもいつまで持つかわからない、不安。
そのあたりから白血球もかなり減ってきていて、
平行して様子を診ている婦人科の主治医から、
入院治療の切り替えを勧められる。
たった5分の治療のために入院するのも大袈裟な気がするが、
下痢がどんどん酷くなってくることを考えると
やはり通院もこの当たりが潮時かと思える。

8月18日再度入院。
病室は勝手知ったる我家のようで少しなつかしい。
顔見知りの看護士ばかりでリラックスムード。
はやり通院のことを考えると入院は楽だ。
この頃から膀胱炎も始まったため、
すぐ主治医に相談できる環境も心強い。
下痢も膀胱炎も薬を飲むものの痛くなる原因の照射は
毎日行われるため治ることはなく辛うじて軽くさせるだけの毎日。

4週目、いよいよこれ以上の下痢は危険なため、
放射線の単位をワンランク落とし、その分回数が一日延びることに。
それでも良くならない場合はこれ以上免疫力の低下は危険なため、
放射治療を一旦停止することになる。
そんなことになれば入院は長引くし、
せっかく今まで頑張った毎日が無駄になるようで焦る。
なんとかこのまま無事治療を終わらせたい。

神さま!仏さま!お助けください・・・。

そんな願いが通じたのか、
その後少しだけ症状が良くなっていった。
ほんの気休め程度だけど治療は続行できそうだ。

いよいよ9月、5週目に突入。
あと6日で治療終了だ。あともう少し!
少し前からまったく食べられなくなっていた病院食。
ただでも食欲が無いのに病院食というのはかなりキツイ。
幸い食事制限がないので、売店で好きなものを買ってきたり、
主人に美味しいものを調達してもらう。
揚げたてのカレーパンが悲しいほど美味しかった。


9 〉治療を終えて思うこと -->








はじめに
1 〉あっけなくがん告知
2 〉恐怖で頭が真っ白け
3 〉手術説明を受ける
4 〉命について考える
5 〉はじめての入院
6 〉いよいよ手術の日
7 〉緊張の病理検査結果
8 〉放射線治療開始
9 〉治療を終えて思うこと

食べるという欲求
主治医のこと[1]
主治医のこと[2]
夫婦っていいもんだ
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