はじめての入院生活 @ 手術説明を受ける

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子宮がんタイトル
3 〉手術説明を受ける

紹介された総合病院で検査を繰り返し、
ガンの進行度がはっきりした時点で治療の計画を立てる。
私の場合は初期の後半、進行期の初期と言える段階だった。
年齢的にも進行が早いので、
今回の出血で病院の門をくぐらなければ、
どうなっていたかを考えると背筋が寒くなる。
主治医は躊躇なくなんでもハッキリ伝える人で、
聞いていなのに私のケースの5年生存率まで教えてくれる。
ちょっと調べればすぐ分ることだけど、
でも先生の口からでは具体的すぎるよ〜!
もちろん生存率の方が高いのだけど、
死亡率の数字に意識がいってしまう。
そっちに入れば終わりなんだ。それはいつやって来るのか分らない。

くっ〜〜〜!!!死がリアルだ〜〜〜!

そのとき先生は別の患者さんの急用で席をはずされた。
ひとりになった途端ショックのあまり、
いきなりめまいと吐き気が襲ってきた。

わっ!ダメだ! 先生早く戻ってきて〜!
倒れそうよ〜〜〜〜!!!

そんな状態とは露知らず、ひっこり戻ってきた主治医は
「お話中、失礼しました〜。」と満面の笑みを浮かべてみせる。

いや先生!笑ってる場合ぢゃぁ〜〜〜〜〜。

と心で叫ぶものの、
私もつられて負けないくらいの笑みがえし。

いや私も笑ってる場合ぢゃぁ〜〜〜〜〜。

が、その途端うそのように吐き気は消え、
不思議とすっきり気分が落ち着く。
そしてまったくもって根拠の無い確信がハッキリと持てた。

「セカンドオピニオンはいらない、
 この医師に懸けてみよう!」

手術は子宮を全部摘出し、転移を防ぐために周囲のリンパ節を
取り除くというもの。
自分のことながら、なんともグロテスクな話だぁ。

あとで分ったことだけど、この主治医は婦人科の副部長で、
手術の腕は確かなものらしい。
この病院には4月に転任されたらしく、
先生を慕って以前の患者がかなりこちらに移動しているそう。
もしかすると私は運が良かったのかもしれない。


4 〉命について考える -->








はじめに
1 〉あっけなくがん告知
2 〉恐怖で頭が真っ白け
3 〉手術説明を受ける
4 〉命について考える
5 〉はじめての入院
6 〉いよいよ手術の日
7 〉緊張の病理検査結果
8 〉放射線治療開始
9 〉治療を終えて思うこと

食べるという欲求
主治医のこと[1]
主治医のこと[2]
夫婦っていいもんだ
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