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4 〉命について考える
あるとき、ふとこんな思いがよぎる。
「こんなに忌み嫌っているがん細胞だって私の身体の一部なんだ。
今まで自分の臓器を意識して考えたことなんか無かったな。」
健康でいたいから食事や運動に気をつける、
痩せたいからあまり食べないようにする。
自己中心的な欲求から身体をコントロールする考えばかりに到ってきた。
この身体の主人は私なんだ、と当たり前のように信じてきた。
でも、どうやらそうではないらしい。
心とは関係なく身体とはいつかは亡くなってしまうもの。
人によって時期が違うだけのことなんだ。
そんな当たり前のことを少しは受け入れる覚悟が出来てきた。
どうやら怯えるのに疲れたみたいだ。
この頃、脳が身体を守るために多量のドーパミンを出してきたようだ。
頭がだんだん麻痺してきて高揚感さえ感じる。
悩んでるのがバカバカしくなってくる。
もし私の時間が限られているとしたら、あとは楽しく過ごしたい。
何年後か何十年後かに終わるその日まで、
できる限り笑っておバカに過ごしていたい。
5 〉はじめての入院 -->
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はじめに
1 〉あっけなくがん告知
2 〉恐怖で頭が真っ白け
3 〉手術説明を受ける
4 〉命について考える
5 〉はじめての入院
6 〉いよいよ手術の日
7 〉緊張の病理検査結果
8 〉放射線治療開始
9 〉治療を終えて思うこと
● 食べるという欲求
● 主治医のこと[1]
● 主治医のこと[2]
● 夫婦っていいもんだ
● 子宮がん関連の書籍
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