はじめての入院生活 @ 食べるという欲求

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食べるという欲求

手術後は、おもゆ→3分粥→5分粥→7分粥→ごはんというふうに段階を追って固い食事に変化していく。早い人で手術の翌日には食欲が湧くようだ。手術当日はもちろん絶食だし、翌日もガスが2回出るまでは絶食。それを待ちきれなくて「早くガスが出ないかな〜!お腹すいたよ〜!」って叫ぶ人もチタホラいた。

私の場合ガスもスムーズに出て、すぐに食事を出された。でも、まったく食欲が湧かない。おもゆが不味くて食べたくないのではなく、ただただ食欲が無いのだ。日頃食べることばかり考えているのに、肝心な時にまったく食べられない。食事に固形物が出始めると、さらに苦痛が増した。食べた物が腸を通るときの痛みのせいかもしれない。

それでも食べる人はよく食べていた。70歳代の人でも私よりずっと元気で、その生命力の強さに目を見張った。こういうとき、潜在的な生命力にハッキリ差が出るのかもしれない。食欲が出ないのはそれを証明するようで結構メゲル。身体が臨戦態勢なのに心がそれに応じない。生存競争の負けを認めたようだった。

すっかり元気になった今になれば、どうでもよいようなことでウジウジしていたように思う。でも、身体と心は比例してるから仕方ない。
それにしても、日頃の私の食欲はいったいどこから来てるんだろう?エネルギーの補給というより、食べることは娯楽に近いのかも。食べるのが大好きなつもりなのに、一番大事なときに食べることを苦痛に感じるなんて、人間として(動物として)完全な負け組み。そんなこと思い出しながら、また平時には不必要な栄養を、過剰にむさぼる毎日だ。


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はじめに
1 〉あっけなくがん告知
2 〉恐怖で頭が真っ白け
3 〉手術説明を受ける
4 〉命について考える
5 〉はじめての入院
6 〉いよいよ手術の日
7 〉緊張の病理検査結果
8 〉放射線治療開始
9 〉治療を終えて思うこと

食べるという欲求
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